【ネタバレ有】「スターウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)」感想と考察
どうも
コールドスリープしているブログを
突然呼び覚ますことに定評のある私です
以前のブログも『エヴァQ』を観た途端に更新を再開したのですが
今ブログは『スターウォーズ』と共に再開です
※ここから先は盛大にネタバレを含みますので未見の方はお気をつけください
ということで
観てまいりました「スターウォーズ/フォースの覚醒」
あらすじ等に関しては様々なサイトでまとめられていますので、
僕は本当に感想と考察だけ書こうと思います
観終わった後のはじめの感想は
レイ、強すぎ
です
今回初登場キャラで「フォースの覚醒」のヒロインであるレイですが、春麗も真っ青の格闘系ヒロインでした
・2対1の劣勢でストームトルーパーを肉弾戦で倒す
・はじめて乗ったミレニアム・ファルコン号を自在に操る
・師がいなくてもフォースを習得する
・敵側の主力「カイロ・レン」を修行なしにライトセーバーで打ち負かす
等々、軽く引くくらい強かったです
「マッドマックス~怒りのデスロード~」を観た際にも感じましたが、「男性に守られる女性」という構図はハリウッド映画においては過去の産物になりつつあるのですね
エピソード4ではレイア姫はホログラムでオビワンに助けを求めていたわけですが、エピソード7ではレイはことごとく自力で窮地を脱していましたね
男性主人公であるフィンが手を繋ごうとするたびに、
全力で拒絶する姿が印象的でした
そして、レイの強さと関連して浮かんできたのが、
レン、弱すぎ
という感想です
今回初登場のキャラクターで、ファースト・オーダー(帝国の流れを継ぐ勢力)側に属する仮面の剣士「カイロ・レン」氏ですが、ポスターやパンフレット等では最も手強い敵のような雰囲気を醸し出していました
ただ、個人的にはレン氏のことは上映前から
「ダース・ヴェイダーのコスプレをしているようにしか見えない」
と思っていて、どうもルックスに迫力を感じなかったのですが、
実際本編を観てみてわかったことは、
彼は実際にダース・ヴェイダーのコスプレイヤーだったということです
「厨二病」兼「グランドファザーコンプレックス」ということで
キャラ立ちという意味では他の追随を許さないカイロ・レン氏ですが、
手負いだったとはいえ、格ゲー的に表現すればガチャプレイ状態だったレイさんとのライトセーバー戦に負けてしまったのは驚きましたし、
「師が必要だな」
などと余裕をこく前にしっかり鍛錬を積んでほしいと感じました
「どの面下げて初日のメモリアルパンフレットの表紙を飾ってるんだ」と各所で話題のキャプテン・ファズマ女史の活躍(通称:ファズマ問題)含め今回の帝国側の皆様は非常に頼りなく、ラスボスのヴォルデモートっぽい人もホログラムが巨大すぎて逆に弱そうでしたし、ファースト・オーダー(帝国側)の銀河侵略遂行能力には、大変不安が残りました
今回は エピソード4で登場した「デス・スター」をさらに巨大にしたような「スター・キラー」という一撃で複数の星を葬る恐ろしい兵器が登場したのですが、ご機嫌なナイスガイ、ポーをはじめとする反乱軍側に内外部から弱点を狙われ、エピソード4の頃よりも随分たやすく爆発炎上させられてしまいまして、帝国側の皆様には、ぜひ前任者との引継ぎをしっかりしていただきたい、具体的には「星に匹敵するような巨大兵器に、一撃で本体が全壊するような深刻なセキュリティホールを作らないでいただきたい」という気持ちでいっぱいでした
さて、ここまでの内容で
「こいつはよっぽど新作が気に食わなかったんだな」
と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、それは誤解だったりします
僕は今作を、「スターウォーズ新章の導入としては最高に近い作品」だと思っています
というのも、ここまで書いたものを振り返ると分かる通り、この映画を観終わった後に自分の心に強く残ったもののほとんどは、新キャラクターたちの動向だったからです
レイの住居を遠目から見た際に実は建物がAT-ATの残骸だと分かる演出、
「ポンコツ」呼ばわりからのミレニアムファルコン号登場、
ハン・ソロの「いやな予感がするぜ」という台詞、
敵陣でのチューバッカ無双、
歳を経て指導者としての貫禄が出たレイア姫etc…
挙げればきりがないくらい、これまでのSWシリーズを観てきた人間ならついつい嬉しくなってしまうシーンや演出は大量にあったのですが、
それでいて『スターウォーズ/フォースの覚醒』は、観終わった後に「新キャラたちのことを考える」映画なんです
これってすごいことだと思うんですよ
これだけ作品やキャラクターに人気があったら、今までのストーリーとキャラクターを本当にただ踏襲するだけでも充分と考えてしまいそうなものですが、
監督のJ.J.エイブラムスはこれまでのSWの歴史を大事にした上で、「新しいキャラクターたちが強く印象に残る」映画を作っているんです
もちろんすべてがいい印象でないことは確かなのですが、それも含めて、
「新しいスターウォーズ・シリーズが始まったんだ」
という気持ちを自分は抱いたので、この作品は本当に気に入っています
そのうえで、「フォースの覚醒」からはじまる新3部作に僕が唯一抱いている危惧は、
「このままいくと共和国圧勝じゃない?」
というものです
「フォースの覚醒」ラストシーンではレイは隠遁していたルークと出会います
今作のストーリー全体がエピソード4の展開をなぞっていたことを考えると次回作ではエピソード5をなぞりレイはルークと修行を行うことになりそうですが、
そもそもレイは自力でフォースを習得してしまいましたし、最後に登場したマーク・ハミル演じるルークさんの方が元気がなくて心配(お腹もちょっと出ている)だったので、ルークがレイを稽古するよりレイがルークをリハビリする方が説得力がある気はします
(友人宅で観た『レーザーホーク』という超低予算のB級映画に「自分は銀河の平和を守る正義の宇宙人だ」と言い張る精神病患者役として登場しているマーク・ハミルを観たときは涙を禁じえなかったです)
ただ、もし立ち直ったルークとレイが修行することになれば、レイの強さに更に磨きがかかり、圧勝ムードがより強まってしまうのではないかという懸念があります
スターキラーは木端微塵ですし、 そもそもレイはカイロ・レンにいきなり勝利してしまっています
「強敵に敗けて修行の後リベンジ」が少年漫画の王道ですが、今回のスターウォーズ新三部作ではそれが成立せず、修行する必然性もありません
次回作の展開は、非常に読みづらいと言えます
長々と感想を書いてきましたが、ここからはそれをふまえて個人的な考察です
僕は、レイが暗黒面に堕ちて新帝国の指導者になるのではないかと思っています
現時点でダークフォース側にいるカイロ・レンはこれからヴォルデモートっぽい人(スノーク氏)に再び指導を受けて立派な暗黒卿を目指すようですが、
正直ここまでの描かれ方で彼は弱さを強調されすぎていて、かつ才能がないということも婉曲的に言われているので、恐ろしい敵にはなりえないと感じています(ちょっとカイロ・レンくんがかわいそうになってきました)
前述のスノークさんも、ラスボスとしてはパンチが弱いです
対して、レイは非常に強力なフォースを持っており、誰の指導も受けない状態でフォースを覚醒させ、ライトセーバーを操り、カイロ・レンを圧倒しています
額へのキスシーンから、フィンへは恋愛感情に近い感覚を持っている可能性もあり、R2-D2に義手を置くフラッシュバックシーンから、ルーク(スカイウォーカー家)と繋がりがある可能性も示唆されています
加えて、初めてBB-8に接した際に、レイは「曲がっているアンテナを直し」ます
これは、アナキンと同じ「フォースにバランスをもたらすもの」の暗喩とみることができるのではないでしょうか
冒頭に貼った「フォースの覚醒」の公式ポスターをそのような視点で振り返ると、いかにもレイが「ダークサイドとライトサイドの境界」にいるように見えてきます
以上のようなことから僕は、新三部作では「ダークフォースに目覚め、史上最強の敵となったレイを、ライトフォースに戻ってきたカイロ・レンが一生懸命努力して倒す」展開が来るのではないか、というか来てほしいと思っています
正直、すぐにキレてコックピットをライトセーバーでバンバン壊しちゃう(そして「まーたやってるよ」とストームトルーパーさんたちにも呆れられちゃう)カイロ・レンさんを応援したくなっている自分がいるわけです
今作で登場したキャラクターの中で、一番人間味があるのが彼だと思うんですよ
今回彼は大変な罪を犯してしまいましたが、ここで彼を悪役に固定せず、贖罪を目指した方が新世代の映画になるのではと、そんなことを思ったりもしています
とまぁ、長々と書いてしまいましたが、こうして「ああでもないこうでもない」とスターウォーズについてまた考えられるようになったこと、そして2年後には完全新作が続編として公開されること、そのことが本当に嬉しいです
今週中にまた劇場に足を運んで、気付いたことがあったら書き足していこうと思います
以上「スターウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)」感想と考察でした
次回更新は2年後です(?)